「福祉就労」の現状 前編

福祉就労 労働と経済

「福祉就労」をみなさんはご存知でしょうか。

「福祉就労」は一般就労が難しい、障がいを持った人たちの仕事のことです。仕事はしますが、その対価は最低賃金以下でかまいません。ですから賃金とは言わず、「工賃」と呼びます。雇用契約も結びません。労働行政の範疇ではなく、福祉行政に該当します。

2018年、「福祉就労」に関する法律の改正により、障がいをもった当事者や福祉施設がひどい目に遭っています。現場を知らない役人の愚かな提案に不勉強な政治家が乗った結果です。本稿では「福祉就労」の現状について論じます。

今年から福祉就労を行う障がい者施設の報酬体系が変わりました。報酬というのは、福祉施設の人件費や運営費として行政がその事業所に支払うお金のことです(基本的にすべて税金)。

どう変わったかというと、その事業所が障がい者に支払う工賃の高い・安いで報酬が決まることになりました。つまり、障がい者に支払う対価(工賃)が高い施設には報酬をいっぱいあげるけど、工賃が安いところには少ししかあげないよ、というものです。

⇒後編につづく