行政のしくみ?!

私の信条

行政がどのように制度をつくっているか、サービスを決定しているか、お金を動かしているか、私もすべてはわからないです。普段、福祉制度のことを書いているので隅から隅まで行政の意思決定過程としくみを知っているかというと、そんなことはありません。いまの行政自体が巨大すぎますし、複雑すぎます。

行政の動きは国民に開示されているはずなので、みな知ろうと思えば知ることができます。ただ、巨大で複雑な体系をがんばって攻略するほどの時間も実力も一般市民にはないでしょう。自分の生活で忙しいですから。そうこうしているうちに行政のいいように制度・しくみがつくられてしまう。国民のチェック機能はどうした!といっても生活に直接関係ないところには普通、関心ありません。

先日、江東区の障害福祉計画の区民説明会に行ってきました。すると区民側の出席者は、4人! しかも、その4人は、全員、私の知っている人(福祉関係者)でした。行政のほうは、障害者福祉関係の課長、係長が勢ぞろいで20人近く。「みんな障害者福祉になんて興味ないんだな」と痛感しました。

ところで、いまヤフーで「地域包括支援センター」を検索してみると「きつい」・「離職率」・「丸投げ」という言葉が出てくる。地域包括支援センターは、高齢者福祉の拠点で、中学校区に1か所設置されています。保健師・主任ケアマネ・社会福祉士という3専門職が必須配置の機関です。さぞかし、研ぎ澄まされた専門性を表すワードが出てくるかと思いきやこんなネガティブワード。

地域包括支援センターだけではなく、ほかの福祉の職場を検索しても、そんなにポジティブな言葉を拾うことはできません。

これはお金の問題が大きいと思います。福祉の専門職は、たいしたお給料じゃないのに責任の重い仕事を担います。とはいえ、彼らにネガティブワードを言わせてしまったのは、給与がどのくらいあるのかもよく分からずに高いレベルを求めてきた、私を含む専門職団体の責任もあると思います。

13億円かけて江東区内全戸にラジオを配ったり、3500万円かけて高齢者にタオルを配ったりする事業がホイホイ成立してしまう一方で、江東区の会計年度任用職員(非常勤職員)の期末手当引き下げも成立します。国に目を向ければ、「議員立法は財務省が賛同しないまま作った法律ということなので、(議員立法の)虐待防止法や成年後見利用促進法に財務省から予算措置させるのはまず無理」(厚労省関係者)ということを言われる一方で、アベノマスクやGOTOキャンペーンはホイホイ予算が通ってしまう・・・。

私たちが行政の動きやしくみをコツコツ学んだところで、鶴の一声で制度やサービスが決定してしまう。しかし、だからこそ適正な手続きで民主的に行政を運営していくということを考え続けなければならないと思います。行政のどこがおかしいのか、どの機能が不全なのか、きちんと指摘できるようになるには、市民の側でも努力が要ります。巨大で複雑化したシステムを攻略するには、人手が必要です。自分の生活で精一杯かもしれないですが、みんなで分担して行政運営をチェックしてよりよい社会をつくり上げたいですね。