こどもの権利が擁護される環境を整えましょう!~12/10区政報告会より~

医療・福祉
平尾弁護士と中村まさ子江東区議といっしょに

昨日、市民の声・江東の区政報告会に出席!

中村まさ子江東区議といっしょに江東区政に関する報告をしました。

私は江東区の福祉事情にフォーカスした話をしました。とくに障害者福祉に関して、来年以降の状況を説明。

来年は塩浜に江東区初の障害者の入所施設ができます。また扇橋にある障害者福祉センター(障セン)の運営団体が代わります。

 

どちらも江東区外に本拠地のある大きい社会福祉法人が多くの職員と共に進出することとなります。運営法人は、塩浜の施設は、「睦月会」さん、障センは、「敬心福祉会」さんだそうです。ともに東京の西部地区で主な活動をしている団体です。

いままで江東区の障害者施設は、地域に根差した団体が運営することが多かったので、新たな団体がどのように江東区にとけこんでいくのか、地域連携は円滑に図れるのか、注目しているところです。

前半は、中村区議と私の報告だったのですが、メインイベントは、弁護士の平尾潔さんによる講演「弁護士から見た子どもの現状と子どもの権利」です。

平尾さんは、江東区在住で弁護士としてこどもの支援に力を注いでいます。第二東京弁護士会の「子どもの権利に関する委員会」委員を歴任し、2008年度副委員長。2007年より「東京都子どもの権利擁護専門相談事業」専門員。子育て支援団体「こうとう親子センター」理事。弁護士として少年事件、いじめなど、こどもに関する事件を多く手がけ、学校での「いじめについての授業」を行っている傍ら、休日は少年野球のコーチとして地元のこどもたちと接しています。

さらに練馬区のスクールロイヤー、そして、平尾さんの弁護士事務所がある世田谷区では、こどもの権利擁護機関「せたがやホッと子どもサポート(略称「せたホッと」)」で子どもサポート委員として相談支援活動をしています。

 

今回の講演内容を以下の通り要約します。

こどもの現状

不登校のこどもたちが急激に増加している。とくに中学生では、不登校の生徒の割合が5パーセントにもなり、一クラスに1人以上の不登校の生徒がいる状況である。その原因の一つに、日本におけるこどもへの健全教育論がある。こどもは大人が育ててやる対象であって、健全に育成されるべき存在だという考え方だ。そこに、こどもを一人の権利主体として意見を尊重するという姿勢はほとんど見られない。そして、健全に育成するどころか、ブラック校則などに代表される根拠のない教育でこどもの権利を損なっている。

こどもの権利

1989年、国連総会において全会一致で子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)が採択された。そこには「子どもの意見の尊重・参加権の保障(12条)」が謳われている。

しかし、おとなの側が人権の大切さを言葉では理解を示しながら、本音では抵抗を感じ、行動にしないという分断がある。さらに子どもの権利条約は、司法の世界で裁判規範性はほとんど認められていない。

こども基本法

「こども基本法」が必要である。こどもに関わる個別法は存在するが、あらゆる場面で子どもの権利を包括的に定めた「こども基本法」が存在していなかった。そこで子どもの権利条約と、子どもの権利に関わる法律とをつなぐ基盤となる「こども基本法」の制定が求められた。

そして、2022年6月に「こども基本法」が制定された。施行は、来年4月である。この法律には子どもの権利条約の基本原則がすべて盛り込まれている。この法律をもってこどもの健全育成か権利主体かという議論に終止符が打たれることが期待される。

せたがやホッと子どもサポート

地域でもこどもの権利擁護機関が必要である。おとなが相談するのではなく、こども自身が相談できる場所である。世田谷区では保坂区長のもと、2012年に子ども条例を改正し、2013年に「子ども人権擁護機関」(せたがやホッとサポート・せたホッと)を設置。こどもに寄り添い、こどもの立場に立った問題の解決を目指す、公正・中立で独立性と専門性のある第三者からなるこどもの人権擁護機関である。こどもに寄り添いエンパワメントすることで信頼される機関として機能している。

提言

〇こどもの権利について、子どもに周知させる必要がある

〇こどもの権利について、教師など教育に携わるものの研修が必要である

〇江東区においても、子どもの権利条例を!

〇江東区で、子どもの権利擁護機関の設置を!

〇弁護士によるいじめ予防授業のさらなる活用を

以上となります。穏やかな語り口にもかかわらず、熱い思いのこもった平尾さんのお話に引き込まれました。もっともっと聴いていたかったです。

いずれにしても、言うことを聞かせる対象としてこどもを考えているのであれば、それは教育でも健全育成でもなく、支配以外の何物でもありません。こどもこそ社会的少数者の代表です。こどもを一人の権利主体としてとらえ、個人として尊重される環境を整えることは私を含むおとなたちの責務であると強く思いました。

 

※表記に関しては、機関名や施策名以外は「こども・おとな」とひらがなに統一しています。