私たちぬきで私たちの福祉を決めないで 前編

私たちぬきに 医療・福祉

長年、私は高齢者・障がい者の福祉に関係する仕事をしてきました。そのなかでいろいろ考えてきたことがあります。今回は、私たちぬきに私たちの生活に直結する福祉制度がどんどん決まってしまう、という問題をお話しいたします。

昨年(2018年4月)、自治体の福祉計画が新しくなったのをみなさんはご存知でしょうか。

じつは、自治体の計画は、3年に一度くらい見直しをすることになっているのです。最新の課題に対応するためや以前つくった制度がきちんと機能しているか確かめるためです。ですので、昨年、役所の中では新福祉計画の策定のための会議が何度となく開催されていたのです。

ですが、私には、「役所が福祉の計画をつくれるの?」という疑問がわいてきます。福祉の現場で働いている人も、福祉サービスを受けている人も役人ではありません。役所は、介護施設や福祉サービスにお金を出しているだけなのです。役所が直接、福祉の仕事をすることはほとんどなく、民間事業者に丸投げです。そんな役所が福祉の現場をよく知っているとは到底思えません。さらに計画をつくる会議の参加者は、役人と学者です。こういった学者は総じて行政に批判的なことは言いません。こんなことで役所が住民目線の福祉計画などつくれるのでしょうか。

私たちは役人がつくる計画なんてほとんど関心ないです。ところが、この計画に基づいて私たちの福祉サービスや保険料など生活に直結することがどんどん決定されていってしまうのです。

⇒後編につづく