11/30一般質問をしました~その2 江東区の介護保険制度~

医療・福祉

いま(2023年12月6日現在)江東区は区長選挙でたいへんです。江東区の将来を占う重要な選挙、みなさん必ず投票に行きましょう!

さて、先日、江東区議会の本会議一般質問の模様がホームページにアップされました。ライブは中継で観れますが各議員ごとに編集されたものは後日の配信なのです。

江東区議会インターネット中継-議員名から選ぶ

改めて動画を観ると緊張して目が泳いでいるな~とわかりました。失敗したと思うのは、語り口が猛々しくなっていたことです。私がいちばん嫌いなところのマッチョな感じに期せずしてなってしまった。マイクの位置が遠く感じたので大きい声を出さなくては音を拾ってくれないような気がして、声が大きくなってしまいました。それに伴って、口調がカチカチしてしまったのですよ。次回は、もっとソフトな感じにします!

さて、今回はトピック2の介護保険です。以前から事業者から役所に対する多くの苦情が寄せられていて、それを落とし込みたかったのです。一般質問では端折ってしまった部分もすべて掲載しています。

「江東区の介護保険制度について」

制度開始から23年目も後半を迎える介護保険。次年度には改正介護保険が施行されます。そして、介護人材の確保、地域包括ケアシステムの深化が喫緊の課題となっています。

今回、この一般質問にあたって、多数の福祉職員からのヒアリングを実施しました。そのなかで介護保険に係る事業者支援のあり方と地域包括支援センターに関しまして、以下のような問題提起をしていきます。

(1)介護事業所支援に係る課題とさらなる取り組みの必要性について

介護人材不足が叫ばれている昨今、先日(2023年11月16日)の江東区高齢者地域包括ケア計画推進会議で「江東区は介護人材の不足にもかかわらず、特養やグループホームを作ってどうするつもりなのか」という意見が出ていました。人材確保に係る有効な手立てが見出せない中、施設整備を優先していて問題がないのか。施設が稼働できるか心配な要素があります。

ところで、福祉人材の確保というのは、すなわち人材の受け入れと定着であります。とくに定着のほうは重要です。福祉の現場、人の入れ替わりが非常に激しい。離職・退職が日常茶飯事です。それはサービスの質の低下や事故に直結する非常に危うい状態であると思います。福祉現場での職員の定着を図っていくためには、江東区がいかに働きやすい職場か、やりがいのある職場なのかを示していかなければなりません。実際に職員の定着を図る取り組みは、民間事業者がやるとしてもそれを後押しするのは保険者としての江東区の役割です。

何が言いたいのかというと、江東区が介護事業者・職員にとって働きやすい事務や運営をしてほしいということです。江東区の介護保険に係る事務が事業者に寄り添ったものではないと常々感じています。わが区の介護保険事務、あまり評判がよろしくない。

江東区の融通が利かない事務でよく言われるのが、ケアプランの日付です。要介護度を変更する際の区分変更申請のときに1日が土曜日や日曜日となると2日、3日から新しいプランがスタートとなってしまう。ケアプランは1か月間で示すものです。たとえば、要介護3から4に変更になるプランにおいて、1日が日曜日だったとしたら、1日が要介護3のプラン、残りの2日~31日までが要介護4のプランと月に2つのプランをお年寄りの方に提示することとなります。しかも要介護3のプランは1日のみ。これは事務的にも煩雑ですし、お年寄りにも分かりづらい。役所の都合を優先しすぎていると福祉事業者の間でも話題になっています。ちなみに江戸川区や大田区では柔軟に対応していて、日付指定で区分変更できるそうです。1日が土日にかかっても1日からプランをスタートできるようにしているそうです。なぜ江東区は柔軟に対応できないのでしょうか。

こういった事務的な細かい苦情はたくさん寄せられています。各種の苦情、一つひとつを一般質問の場で取り上げるのは適切ではないかもしれません。しかし、主なものをここでいくつか挙げていきたい。

◎ いままでケアマネジャーが介護保険の申請書類を長寿サポートセンターに提出してもよかったのを今年度から提出できなくなってしまいました。直接役所に持って行くか、郵送しか受け付けないということです。しかし、親族や本人であれば提出を受け付けるということです。なぜケアマネジャーだけは受け付けないのでしょうか。

◎ 高齢者紙おむつ支給及びおむつ購入費助成について、診断書に「常時失禁状態」と一字一句違わぬ文言が入っていなければ介護保険課在宅支援係として絶対に受け付けないということです。ケアマネジャーが「常におむつの使用が必須である」という医師の診断書を提出したところ、「常時失禁状態」という文言が入っていないからという理由で役所から書き直しを命じられたといいます。

◎ 住宅改修に関して、区長への手紙の中でもあまりに時間がかかることが指摘されていましたが、事業者から他区よりも過度に細かい資料作成を要求される。その結果、江東区では住宅改修の完成まで時間がかかってしまう。迅速に対応できないことが高齢者の生活にいかに負担を強いているのか行政担当者は理解しているのでしょうか。

つまるところ、以上のような融通の利かない事務の積み重ねが事業者や従事者の職場定着のモチベーションを損なっているわけです。そして、そのしわ寄せが利用者たる区民に及ぶのです。

まずい部分ばかりを話してきましたが、事業所のためになる変更もしていることは承知しています。① 今年からショートステイが早い者順ではなく、抽選になった。② 情報開示にいままで事業者から40円を徴収いたのが無料になった。この2点の変更はとてもよい取り組みであると評価いたします。こういった取り組みをもっと行ってほしい。

率直に申し上げて、介護人材確保というのは「福祉のしごと相談・面接会」や「資格取得助成事業」を実施することではなく、行政が介護保険者として、いかに事業者が職員が働きやすい業務環境を整備するか、やりやすい事務を作っていくかの方が重要です。こちらが人材定着のポイントなのです。いま「江東区は事務が面倒だから仕事したくない」という悪いうわさがひろまっているのです。

事業所のやりやすいように事務をカスタマイズすることは大きな費用はかかりません。これこそが人材確保・定着の重要なカギなのです。人材確保事業に大きな予算を割くよりも、いかに事業所が働きやすいように事務を整備するほうが費用対効果を考えても有効ですし、保険者として当然の取り組みと存じます。このことについて保険者としての区の見解はどうなのでしょうか。

(2)長寿サポートセンターの現状と課題について

4つから8つになり、8つから21になった地域包括支援センター、江東区ではその呼び名は「長寿サポートセンター」です。設置数としても23区ではかなりの充実度になっていると思います。

しかしながら、設置数の増加に反比例して、職員の意欲は下がっています。いま21の長寿サポートセンターを10の法人が運営しています。そして課題となっているのが長寿サポートセンターで円滑な連携が図られていないことです。長寿サポートセンターはその支援の区域が厳格に定められています。ですので、連携不足の結果として道を一本隔てれば、スキルもバラバラ、支援に対する考えもバラバラということが起こっています。

長寿サポートセンターが8つしかなく、お互いで助け合っていた頃のベテランの職員であれば、連携の重要さを理解しているかもしれません。しかし、長寿サポートセンターも職員の入れ替わりが激しい。新しい職員はかつての状況を知らないため、いまや連携せずにバラバラなのが当たり前の状態になっている。長寿サポートセンターとして同じ内容のサービスが受けられるはずが地区によってサービスにばらつきがある状態なのです。これは区民にとって不公平ではありませんか。

たとえば、要支援1に関して、デイサービスを1回しか利用できないという長寿サポートセンターと2回利用できるセンターがあるそうです。制度の運用とはいえ、サービスが地域により格差を生じる状態です。

さらに長寿サポートセンターの業務負担についても問題提起したい。非常に大勢の職員から「予防プランが多すぎて、本来業務がぜんぜんできない」と悲痛な訴えがあります。予防プランに追われてしまい、総合相談、ケアマネ支援、権利擁護、虐待対応など本来業務の地域づくりが絶対的におろそかになっているそうです。長寿サポートセンターが担うべき本来業務ができず、予防プランセンターと化している、これは区民サービスの著しい劣化であります。

これに対して、介護保険者の江東区が何らかの対策をしているのかといえば、何もしていない。ではどうすればいいかといえば、やはり長寿サポートセンターの人員を増員することが大切です。それが難しいのであれば、たとえば、予防プランの様式を簡略化した、江東区独自様式を採用するなど事務上の改善を図ることもいいと思います。事務改善で負担が減るのならば、人員を増員するよりも手っ取り早いし、お金もさほどかかりません。

一方で民間事業所からは「長寿サポートセンターに予防を受けてほしいとばかり言われる」という声があります。「予防プランと抱き合わせで居宅プランを求められた」とか「予防プランを受けることを強く言われた」ということです。単価の安い予防プランを受けることは、経営体力に乏しい事業所は厳しいことです。予防プランを受けられる介護事業所のみが優遇されることがあってはなりません。

予防プランの単価を上げてほしいと保険者の江東区に意見しても「単価を上げることは国の制度だからはできない」といつも返答されます。そうであれば自治体として国への申入れも必要です。また、介護保険の枠組みにとらわれず、予防プランを受ける際のインセンティブとなるような区独自の事業者支援制度を創設することも可能なはずであります。

以上、長寿サポートセンターの予防プランが多すぎて本来業務ができないこと、予防プランと民間事業所への委託に係る問題点について述べました。

(3)基幹型地域包括支援センター設置の必要性について

これまで長寿サポートセンターの課題を述べ続けてきましたが、結局のところ、21長寿サポートセンターが円滑な連携が図れ、サービスの偏りが生じないように取りまとめる専門機関が必要であると考えます。つまりは、基幹型地域包括支援センターの創設です。

以前、江東区役所の地域ケア推進課が基幹的役割を果たすという答弁がありました。しかし、担当職員は3年ごとに異動してしまう、長寿サポートセンターの実務をしていたわけでもないのです。主任ケアマネの職員も在籍しているといってもわずかに1名ですし、その方が現場を指揮しているわけではない。率直に言って、地域ケア推進課の対応では不十分です。しっかりと基幹型包括をつくり、21包括の連携強化を図る必要があります。

長寿サポートセンターの本来業務が果たせていない現状、業務の正常化を目指さなければならないと考えます。困難ケース対応といっても地域ケア推進課の職員は役所の事務に精通している人たちです。事務方の職員に生活支援の現場、介護・虐待の現場に保険者としての対応を求めること自体、酷なことかもしれません。

一方で地域包括支援センターという高齢者福祉の最前線にいる職員は虐待対応、利用者からのハラスメントなど相当なストレスがかかっております。職員もケアされなければなりません。長寿サポートセンター職員のフォローも基幹に担ってもらいたい。ケアする人をケアするという視点が基幹型地域包括センター設置という今回の提案の根底にあります。ケアの最前線の職員もしっかりと支援されるしくみを大いに希望します。

以上、福祉に厚い江東区の実現を切に望みます。