「年越し支援コロナ被害相談村」レポート&感想

私の信条

2021年の12月31日(金)と年明けの1月1日(土)の2日間、「年越し支援コロナ被害相談村」に参加しました。会場は、新宿歌舞伎町にある大久保公園。今回は、そのレポートと素朴な感想です。

2日間、とても寒い日でした。厚着をして、近くにストーブがあったとはいえ、屋外の仮設テントの中に座っていると足先が凍るようでした。とくに1日目は曇天で午後から雪がちらつきました。

んな厳しい寒さでは、路上生活の人たちに生命の危険があるはずです。年末年始、区役所は休業。家を追われた人を支援する公の手段が1週間近く閉ざされるわけです。その間、民間団体が困窮した人たちを支援することになります。行政サイドは、困窮している人の生存権を守ろうという意識が低いですね。悲しくなります。

そんな状況下、下町ユニオン加瀬事務局長と私がペアを組んで、相談員として仮設テントに貼りつきました。1日目のスタートでは、相談者が列をつくるほど大盛況ぶり。2日目も1日中ひっきりなしの相談を受け付けました。連日、200件を超える相談・来村がありました。

「私からみると公的な支援が必要だと感じるのにこの人はなんでそれを拒むのだろう」と思うことが多かったです。こんな寒いときに吹きさらしの町中で過ごすより、さまざまな制約はあるけど生活保護を受給して、屋根のある暖かい家の中でゆっくりしたほうがいいのでは?ということです。そんな考えが何度も繰り返されるほどに相談者が公的支援を拒否することが多かったです。

思うに、これは路上生活の方々が気ままに生きたいからではなく、役所との関係や就労経験で非常にいやな思いをして、公的支援や就労がもうこりごりだからでしょう。おそらく彼らは役人や職場の人たちからいじめられ、侮辱を受けてきたのでしょう。

相談者の方々の様子をみると、彼ら自身が生活面で課題をもっており、生きづらい状況にある人も少なからずいました。「いままで社会で相当つらい思いをして生きてきたんだな」と思われる人も多かったのです。

それにしても日本社会が人に対して冷たいですね。生活保護の申請の場面では役所の担当者がつれない対応をするわけです。それどころか本人の意に反して、無料低額宿泊所(困窮者のための住居。劣悪な施設も多い)に入所させられることもあります。就労の現場をみれば、ブラック企業が低賃金・パワハラで人を使い捨てる状況があります。

相談者のなかでも不器用で自分の希望や状況をうまく伝えることが苦手な方々は、社会にさんざん傷つけられてきたのでしょう。冷淡で意地悪な日本社会はいい加減こりごりだから、ストリートの方がまだましなのです。

しかし、屋根のある生活よりも極寒の路上のほうを選ぶほど人間を追い詰めてしまう社会などあってはならないはずです。ギスギスした社会なんて発展しようがありませんよ。今回のコロナ相談村に参加して、みんなが心豊かで温かいふとんで眠れる世の中になってほしいとつくづく思いました。そんな社会の実現に一歩でも近づくためにファイトですね!