8月10日 公開講座「障害福祉サービスを学ぶ!」

医療・福祉

8/10(木)の夜、亀戸文化センターで「障害福祉サービスを学ぶ!」という学習会を開催していました。今回はそのご報告です。

私は、ケアワーカーユニオンという介護労働者の労働組合の代表を務めています。ケアワーカーズの参加者は介護保険事業に従事している方がほとんどです。高齢者分野と障害者分野、連携して支援していかなければならない場面が多いのに、双方がお互いを知らないというタテ割り制度になっています。障害福祉分野をきちんと学べる機会を設けてほしいという希望に応え、本講座を開催しました。

個人的にも江東区はあまりにもセルフプランが多すぎる(後述)と以前から考えていました。江東区の役所の人は、6月(2023年)の委員会で「江東区の地域包括ケアシステムはすでに完成している」と宣言していましたが、私的には「ええーっ!こんなにタテ割りなのに~」とぜんぜん同意できませんでした。

いずれにしても高齢者、障がい者など「~者」で分けることをやめて、支援が必要な人を全般的にフォローできる体制が整備されるべきです。

さて、前置きが長くなりましたが、学習会に報告に移ります。

講師は、介護福祉士で医療的ケア児等コーディネーターの髙舘麻貴さんと精神保健福祉士で主任相談支援専門員の磯田渉さん。お二人は江東区で20年近く障害福祉に携わるエキスパートです。

髙舘さんからは、「障害児における福祉サービスの現状」というテーマで医療的ケア児、重度心身障害児の支援の解説がありました。

医療依存度の高い就学前の子どもを支援できる事業所は、江東区内に3か所のみです。実際の支援の様子を動画で視聴(とても貴重な記録です)。家族の負担が大きいことを危惧しつつ、医療・介護・福祉が連携して、障害のある子どもが、その子らしく育ち、家庭全体が安心できる支援が理想とのことでした。

磯田さんは、精神障害の人たちの支援一筋の職員。「障害者福祉サービスからの8050問題への取り組み」というテーマで、障害福祉サービス全般を8050問題への対応と関連付けてお話してくださいました。

障害福祉サービスを利用するためには、支援計画(ケアプラン)が必要です。ケアプランを作成するのは高齢者福祉分野ではケアマネジャーですが、障害福祉では、「相談支援専門員」です。江東区は相談支援専門員の数が足りず、適切にプラン作成できていない状況の報告がありました。また就労支援、地域移行、自立生活援助など最新の障害福祉制度の説明があり、諸制度を駆使して、地域連携のもと8050問題に対応することが提案されました。

後半の質疑応答も活発な意見交換が交わされました。こぢんまりとした会を想定していましたが、30名近い参加があり、外の気温に負けないほどの熱気ムンムンの公開講座となりました。