アイハブ障がい!

私の信条

今回は、「障がいをわずらうこと」について考えてみましょう。

病気になって身体が不自由になったり、認知症になったり、あるいは事故などで障がいをわずらってしまうことがあります。そのときには、自分の心身が不自由になった状況に向き合って生きていかなければなりません。

その場合、私たちはどうするでしょうか。自分の障がいを受け入れることができず、自暴自棄になってしまうかもしれません。いままでできていたことができなくなって、落ち込んでしまうかもしれません。

心身の障がいに打ちのめされるとき、私たちは、障がいと自分を同一視しています。つまり、「私=障がい者(アイアム障がい者)」というわけです。とはいえ、障がいをわずらう前の自分とわずらった後の自分は、同じ自分です。障がいのあるなしにかかわず、一個の私であるわけです。

現在の社会福祉援助の世界では、障がいと個人を同一視するのではなく、「私は障がいをもっている(アイハブ障がい)」という考え方を採用しています。

つまり、障がいは、その人の持っている一つの特性や側面にすぎません。障がいをわずらったから、認知症になってしまったからといって、その人の存在の丸ごとが障がいや認知症であるはずはありません。

もちろん障がいによる生活の困難はあります。しかし、それはその人のたくさんある特性のなかの一つです。障がいという一つの側面に支配されてしまい、その人らしい生き方ができなくなってしまうのはあまりにもったいない。いろいろな可能性があるはずです。

自分が障がいをわずらったり、障がいのある人に出会ったときには、「自分は(その人は)障がいをもっている」という見方をするとほんの少し前向きな気持ちになれると思います。