地域活動とは何か?

私の信条

2023年12月23日に江東区で地域活動している方3人を招いて、シンポジウムを開催しました。シンポジストの一人、前田さんは、亀戸で高齢者の集いの場所「ゆらり」を運営しています(「ご近所ミニデイサービス」といいます)。また、コミュニティサロン「カフェ06」を大島で開催している高橋さん、江東区内各所でこどもたちへの学習支援ボランティア活動をしている「寺子屋みなてらす」の三宅さんが登壇しました。地域活動の工夫とやりがいを議論し、安心できる集いの場所の大切さを会場全体で確認しました。

さて、地域住民が自主的に行う活動をみなさんはどう思いますか。具体的に挙げると、町内会の活動、ラジオ体操、お祭りなどがあります。住民の自主活動、あったほうがいいと思いますか、それともなくなってしまったほうがいいと思いますか。

地域活動のメリットは、やはり住民同士の連帯感やつながりの意識が育まれることでしょう。孤独・孤立対策ということが国レベルで検討されていますが、一昔前は「向こう三軒両隣」という感覚で住民同士の親密な交流があったものです。地域活動を通じて、近所の人たちと仲良くすることが当然だったと思います。いまでも都市部以外では案外そういう傾向があるかもしれません。

地域活動は、防災にも資するものです。住民同士が顔見知りになれば、災害時に安否確認が容易になるでしょう。住民が連携できる体制を作っておけば、大規模災害のときに避難と救援がスムーズにできるはずです。

しかし、地域活動にはデメリットも数多くあります。というか、デメリットが多すぎて1970年代から都市部での地域活動は下火になっていきました。個人主義が強くなったとか、そんな小難しいことの以前に、「普段、自分の仕事で忙しいのに地域活動なんかやってられるか」です。

また、地域活動を強制されるのも問題です。10年前に「町内会は義務ですか~コミュニティーと自由の実践~」(小学館新書)という本が話題になりました。町内会活動を無理強いされるなんて、考えただけでうんざりです。

地域活動にうまくとけこめない人を排除し、いじめが起こることもあるでしょう。旧来の日本的ムラ社会、陰湿な近隣との関係は、ほんとうにいやですし、地域活動が村八分的な行為を助長する可能性もあります。

そして、地域活動の衰退の原因には、行政のかかわりも挙げられます。社会保障制度が現在ほど整備されていなかったときは、地域社会が福祉を担っていました。しかし、いまや、介護、子育てなどは、行政責任で実施されるものです。地域社会が担ってきた役割を行政がやればやるほど、地域住民の自主的活動の余地はなくなっていくのです。

いずれにしても、現在は多様性の尊重が提唱され、さまざまな主体が地域共生を図ることがよしとされています。冷たい人間関係では、共生社会は実現しません。その点で地域活動の活性化は必要だと私は思います。ただ、活動の強制はダメですし、行政責任の民間部門への丸投げとなってもいけません。

役所が地域活動に協力しつつ、行政責任を明確にして、地域コミュニティを活性化する、うまい取り組みが求められているのです。