みなさんは、障がい者の「親なき後の問題」を知っていますか。障がい者(児)を抱えた家族が高齢になり、体力的に面倒をみれなくなったり、死去するなどいろいろな事情で自分の子どもの世話ができなくなったときにどうすればいいのかという問題です。もう20年以上前から「親なき後の問題」は論じられ続けています。
- 問題の所在
じつはこの問題には多くの社会的な含みがあるのです。大きく分けて3つくらいの議論があります。そのいちばんメインを占めているのが、制度の運用論です。成年後見制度や家族信託などの制度を通じて、親や家族に代わって子どもの世話をしてくれる人を選任して、彼らに支援してもらう議論です。これは技術的で法律的なお話になります。私も10年以上、成年後見制度の推進機関の職員を務めてきたので、この議論に関して聞きたい方がいらっしゃいましたら、いつでもどうぞ!
ただ、「親なき後の問題」自体を問い直す本質的な議論が2つあります。その一つが、「そもそもなんで『親なき後の問題』が生じるの?」で、もう一つが「障がい者(児)と親の関係って一体なんなの」という議論です。
⇒後編につづく