議員もソーシャルワーカーです!

私の信条

とある福祉施設の職員が「まにわさん、議員になったのでソーシャルワークができなくなっちゃったね」と言っていたそうです。

エッ! 議員はソーシャルワークできないの?! 私は、ソーシャルワークの一環として議員になったのに・・・。そもそも「ソーシャルワーク」って何? 国際的な定義が以下です(難しいので読み飛ばしてOK)。

◎ソーシャルワークのグローバル定義

ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける。

これがかの有名な2014年の定義です(「~福祉士」資格をもつ人は、試験勉強で覚える)。定義の内容を一言でいえば、「人や地域が抱える問題を解決し、安心して暮らせるよう支える活動」といった感じです。

介護や相談支援、ケアプラン作成など社会福祉事業に関わるすべてがソーシャルワークであるといわれています。さらにいうと、福祉施設の人事給与計算など事務方も「社会福祉運営管理」というソーシャルワークの一分野として含まれます。

一般的にソーシャルワークとして思い浮かべられるのは、病院や施設の相談員のような個別支援の仕事です。個別支援の業務も一分野にすぎません。こちらは「ケースワーク」といわれます。ちなみに介護のような直接処遇の支援業務もケースワークです。

多くの人が「ケースワーク=ソーシャルワーク」であると思い込んでいますが、あくまで一分野であることを繰り返し強調しておきます。ソーシャルワーカーの全員がケースワークだけをしていたら、福祉制度はよくなっていきません。地域の実情を把握して、地域住民とともに住みよいまちづくりをすること、国や自治体に働きかけて、社会保障制度を改善していくこと、これらに取り組んでいかなくてはなりません。さもないと地域課題は放置されてしまいますし、その時代の社会状況に合った社会保障を提案し続けていかないと、福祉制度が旧態依然としたものになってしまいます。現在とこれからの日本に求められる課題に対応するためにも社会的な働きかけをする必要があります。そして、このこともソーシャルワークなのです。地域づくりは、「コミュニティワーク」。体制への訴えかけは、「ソーシャルアクション」という名称で呼ばれています。

私自身、政治へのコミットは、特に重要なソーシャルワークであると信じています。というのも、自治体をチェックする立場として福祉制度に深くかかわっていけるからです。議員になって、いちばんうれしかったのは、役所の職員が私の意見を真剣に聞いてくれて、施策に反映させてくれることです。いち福祉相談員の立場ではこんなことできません。役所は私の意見を市民の代表意見として、多くの人の付託を受けた人物の意見として尊重してくれます。これは大きい!

市民の代表として、社会保障の問題点を指摘し、施策を考案し、改善すること、これもソーシャルワークです。ですので、議員になったからといって、ソーシャルワークができなくなるなんてとんでもありません! これからも自治体議員としてのソーシャルワークに取り組み続けます。