ケアワーカーズユニオンがコロナ感染対策に関して江東区に要請

私の信条

下町ユニオン内のケアワーカーズユニオンが2020年8月17日、江東区長あてに「新型コロナウイルス感染対策の要請Ⅱ」を提出しました。以下で要請項目と江東区福祉部のそれに対する回答を見ていきます。

〔要請〕現在の必要物品の備蓄状況等の具体的な計画を明らかにすること

「すでに購入を行っており、備蓄物品を送り届けることができる状況にある。感染者が出た施設にはその日のうちに持って行き、その後も随時出している」と回答。

〔要請〕新型コロナの感染予防対策を進めるための専門の対策チームを作ること

「それは都道府県レベルの対応だ。特養の入所者から感染者がでたときには、今のところ当日か翌日に入院できている」とのこと。

予防を目的とした対策チームは必要ではないかと尋ねると「感染症の専門職の確保は難しい。動画配信にて講習会を開催することで予防対応とする」とのことでした。

〔要請〕オンラインシステムを構築すること

「区全体として考えているが、個人情報保護の問題もある。インフラ整備は、情報システム課が予算要求するかどうかである」。

長寿サポートセンター(地域包括支援センター)でオンライン会議を持てないか問うと「委託先の法人のやり方に従うしかない」と業務委託がオンライン化を妨げているという返事でした。

現状把握、現場との繋がりをどうしていくのかを再度、福祉部長に尋ねると「自分は、感染が起こった施設に直接行った。日曜日も行った。区としてできることはすべてやっている!」と応じました。感染発生時の対応に追われ、予防まで考える余裕がないという残念な回答でした。

〔要請〕介護従事者のPCR検査を定期的に実施できる体制を早急に作ること

これについては検査対象を拡充したという回答。「陽性者が出た場合、その施設の職員全員を検査している。保健所の判断で対象を拡げている。区として定期検査を行うつもりはない」とのこと。

〔要請〕陽性者が施設で療養した場合、どのような指導を行ったのか明らかにすること

「保健所がゾーニング、防護服の着脱などの指導を行っている」と返答。施設への財政的支援、差別をなくす啓発活動を要望すると、「人的支援や物品支給はできる。個人的に啓発活動は必要だとは感じている」と回答。

〔要請〕集団感染発生時の区の具体的役割を明らかにし、支援体制を早急に構築すること

具体的な構想を福祉部長から聞くことができました。「介護事業者連絡会等で相互の応援体制を組めないか検討している。江東区版の相互援助体制を組もうと思い、話し合い中である。420事業者と相互応援の仕組みを発足させたい」。喫緊の課題である人員確保に関しては検討しているとのことです。

〔まとめ〕

今回は2回目の要請行動です。前回5月14日の要請より半歩前進といったところでしょう。危機意識を持ち始め、具体的な行動に着手しているようです。それが適切に機能するかどうか、まだわかりません。

感染拡大の防止は、江東区役所全体の課題です。高齢者だけでなく、立場の弱い方々への支援が適切になされなければなりません。引き続き行政に働きかけを行っていきます。